昔から中近東諸国とのつながりが強かった北アフリカ(エジプト、リビア、アルジュエリア、チュニジア、モロッコの5か国)は、地形的にサハラ砂漠という存在が大きな特徴となり、サブサハラ(サハラ砂漠以南の国々)とはいろいろな面で一線を画する地域となっています。気候的な違いもその一つで、境界となるサハラ砂漠が通年雨の降らない厳しい環境で知られる一方で、沿岸部は温暖で過ごしやすい地中海性気候と言われ、東部を流れるナイル川流域では、有史来古代文明が栄えたことで知られています。欧州にも近いことから、エジプトやチュニジアは観光業が盛んで、エジプト政府関連機関の公表では、同国を訪れる観光客の60~70%がヨーロッパからと言われています。経済的にも石油や天然ガスという地下資源が豊富なことから国力は豊かであり、それがかえって長期独裁政権を生みやすく結果的には政情不安へとつながっていると指摘されています。そうは言っても、北アフリカ全体の国民総所得(GNI)は平均約72.9万円と言われ、平均寿命も71.8歳と、他の地域より図抜けた水準であることに変わりはありません。このような北アフリカ諸国ではありますが、政情不安の発端ともなった「アラブの春」という民主化運動を抜きにしては語れません。2011年チュニジアのジャスミン革命が発端と言われ、周辺諸国へ広がっていったもので、これにより民主化への急激な変化が訪れると期待されていたにも関わらず、強力であった政権が崩壊したことで、逆に国内外の情勢悪化を招いてしまったというものです。なかでも顕著な例として挙げられているのが、リビアで同国を統治していたカダフィ政権時代に保持していたとされる武器がイスラム系武装勢力へ流出されたことで、同国のみならず周辺各国のイスラム系武装勢力の活動を活発化させるという結果を招いてしまったことです。この状態がしばらく続くのではというのが大方の見方となっています。